国民みらい出版(東京)主催、 高雄国際詩文大会が台湾高雄市の国立高雄第一科技大学キャンパスで開かれ、 日本人の短歌・俳句・川柳作品を刻んだ碑286個を除幕。 東日本大震災への台湾からの多大な援助に感謝を表す目的の事業で、日高地方からは仲田美智子さん(70) =日高町高家=の作品が選ばれた。仲田さんは「国際交流の手助けになればうれしいです」と話している。
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寄贈証明書を手にする仲田さん
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仲田さんの作品の歌碑
 震災後、 台湾からは現在までに200億円以上の義援金が寄せられた。 その9割以上が民間から集まったもので、 同出版社は、 日本の詩歌の碑を大学に寄贈することで感謝を表し、 日台のさらなる友好を図ろうと企画。 キャンパス内に設けられた 「詩文の道」 に沿って、 286個の歌碑を建立した。 除幕式の模様は台湾で大きく報道された。
 仲田さんは地元の山百合短歌会前会長で、 日高短歌会、県歌人クラブにも所属。 歌歴は20年ほどになる。今回は、 以前に同出版社から歌集を出した縁で出品依頼を受け、震災のあとで詠んだ短歌「朝夕に薬切らせぬ身となりて地震(ない)や津波の不安拭えず」を出したところ、5000点の中から選ばれたという。仲田さんは式典には出席できなかったが、主催者から報告の写真や同大学からの 「寄贈証明書」が送られた。仲田さんは「持病があり薬は毎日欠かせないので、震災被災地などの報道を見ると『もしものことがあって薬が手に入らなくなったらどうしよう』という不安を抱くようになりました。そんな思いを詠んだ短歌ですが、ずっと残る歌碑にしていただいて光栄です。台湾の若い学生さんたちが文芸作品を通じて日本に一層関心を持ってくれればうれしいですね」と話している。