夏場の電力不足の対応で関西電力㈱は7月2日から9月7日まで管内での計画停電を予定しているが、 日高地方でも対象となる行政関係機関、 企業などに大きな不安と困惑が広がっている。 大飯原発の再稼働も予定され、 計画停電が実際に行われるのかどうかは分からないが、 「学校給食が作れない」 「信号が消える」 「工場の製造ストップ」 などの影響が予想され、 それぞれ対応を検討している。
 計画停電は2日から9月7日まで (土・日曜日、 祝日と8月13から15日までを除く) いずれも午前8時半から午後9時まで。 管内を6グループに分けて、 さらに1グループをA~Hの8つのサブグループに細分化。 それぞれ2時間程度、 地域と時間帯をずらして停電させるが、 いまのところ計画通り実施されるのかは未定。 対象は原則的に一般、 企業すべての顧客となるが、 市町村役場、医療機関、 警察、 消防、 原子力発電所周辺30㌔圏内などは除外される。 ただ、 公共施設でも例えばオール電化の御坊市立学校給食センターは停電対象となっており、 もし計画停電が実施された場合に調理ができなくなる5、 13日、 8月30日、 9月7日の4日間は同センターを休止し、 児童、 生徒に弁当を持参するよう要請した。 教育委員会は 「予定日の停電開始2時間前にしか正式に計画停電が行われるのかどうか分からない。 食材の仕入れなど準備もあるので、 もし停電した場合のことを考えあらかじめその日は給食を停止させていただきたい」 と理解を求めている。 また、 市管理の下水処理施設や斎場にも影響が予想され、 担当課は計画停電中に自家発電装置を稼働させることを検討中だ。
 それ以外にもさまざまな影響が予想される。 交通機関では信号が消えるとされ、 御坊署では署員を総動員して全交差点で交通整理を行う予定。 また、 郡市内のパチンコ店でつくる県遊技業協同組合御坊支部では 「節電には協力態勢を取っているが、 計画停電についてはまだどうするか分からない。 その時間帯は営業を中断せざるを得ないのではないか」 と困惑。 製造業では大規模な装置の立ち上げがすぐにできないところもあり、 「その日のその時間帯だけ装置を停止させるのは難しく、 前日のでんき予報などを見て計画停電が実施される可能性が高そうなら丸1日休業せざるを得ない。 大きな損失になる」 と不満を漏らす企業もある。 ただ、 対応について 「まだ考えてない」 「いつから計画停電なのか知らない」 という声もあり、 情報の周知徹底も必要となりそうだ。
 計画停電については関電のホームページで閲覧できるようになっており、 各家庭や企業の 「お客さま番号 (電気使用料のお知らせなどに掲載している14桁の番号)」 を入力すれば詳細が分かる仕組みになっている。