巨大地震の津波に備え、一時避難場所となる高台の確保が課題となっている美浜町は、浜ノ瀬や田井畑地区住民の避難場所として、吉原(新浜)地内の松林内に避難施設の建設を検討している。浜ノ瀬区からの提案を受け、標高約11㍍の土地に高さ約12㍍、最大1500人程度が逃げられる施設をイメージ。浜ノ瀬区は来月の県内一斉津波訓練で、この場所を一時避難所として訓練を行う。
ことし3月、内閣府の南海トラフの巨大地震モデル検討会が公表した最大震度・津波高の推計結果で、マグニチュード9・1の地震が起こった場合、美浜町の津波の高さは最大で17・9㍍。「発生頻度は極めて低いが、発生すれば甚大な被害をもたらす最大級の津波」としながら、従来の3連動地震の想定(M8・7)の津波高と比べると、6・6㍍から一気に11・3㍍も高くなり、住民の不安も大きくなっている。
約260世帯の住宅が密集、630人が暮らす浜ノ瀬区は、これまでは新浜地内の美浜松原郵便局南側交差点を一時避難場所、松原小学校の体育館を避難所として訓練を実施。しかし、3月の新たな被害想定で津波高、浸水エリアとも大きくなったため、6月の区の寄り合いで「他に安全な逃げる場所を探そう」という声が上がり、区民らがあちこち歩いて調べた結果、同郵便局裏手の松林内を候補地として町に整備を求めた。
森下誠史町長は先の6月議会本会議で「保安林内の国有地であり、松の伐採や用地の問題などハードルがいくつかあるが、構想として高さが約12㍍、収容人員が1500人程度の避難場所を建設できないかと考えている」と述べ、浜ノ瀬、田井畑、新浜地区など周辺住民の一時避難場所として前向きに検討していることを示した。
浜ノ瀬の寄住敏和区長は「3月の新しい被害想定を見たとき、住民から『浜ノ瀬は逃げる場所もないし、全滅しかないな』という声も聞いた。私たちが下見をして、場所を決めて町に提案させてもらったが、それを受けてさっそく検討していただき、区民一同喜んでいます」と話している。すでに区民の手で進入路の整備等が進んでおり、7月29日の県内一斉津波避難訓練ではこの候補地を一時避難場所として訓練を行うことにしている。