みなべ町立学校給食センター増築工事の安全祈願祭が29日、 同町谷口の町有地で行われた。 給食が実施されていなかった南部小学校と同中学校の2校でスタートさせるための念願の施設で、 来年2月までに完成させ、 4月から運用を始める。 これで町内9小中学校すべてで給食が実施されることになり、 小谷芳正町長は 「合併当初からの課題がようやく解消される」 と期待を込めている。
 祈願祭には町や学校、地元区、工事関係者ら約50人が出席。須賀神社(同町西本庄)の前芝弘知禰宜が神事を執り行い、小谷町長が鎌入れの儀などで工事の安全を祈った。
 神事のあと小谷町長はあいさつで「町内全校での給食実施は新町誕生以来の懸案だったが、ようやく念願がかなってうれしい。現在もご飯は田辺の業者から購入しているが、現施設を改修してご飯を炊くラインを新たに設けるので、災害時の備蓄としても活用できる。来年4月から運用の予定だが、南部中3年生にも食べさせてあげたいので、一日も早い完成を願っている」などと期待を込めた。町議会の小川猛議長も「合併協議の中でも重要課題で、平成18年には保護者から早期実施を求める請願が付託され、議会として採択した経緯もある。完成後はバランスの取れた給食を提供してほしい」と祝辞を述べた。石橋勝教育長は「スタートできてうれしい。着工と合わせて運営面での具体的な中身を詰めていきたい」と話していた。
 場所は上南部小学校東側にある現給食センターに隣接する町有地。鉄骨平屋建てで、延べ床面積765平方㍍。これまでの給食センターは1000食分の調理能力で実際は約800食を作っていたが、南部小・中をカバーするためには約1500食分が必要となるため、増築する施設は2000食分の調理能力にアップする。オール電化で、やけどなどのケガをなくし、室内の温度を一定に保ちやすいなどのメリットがある。施設内容は副食棟の機能を完備し、給食のおかずを作る。これまで副食を作っていた現在の給食センターは、ご飯を炊く機能に変更するため、25年度に改修することにしている。費用は建築や設備をすべて含めて約6億5000万円。新施設の設計は寺前則彦設計室(印南町)、施工は杉谷産業㈱(みなべ町)、㈱戸田電機工業所(同)、㈱池田土木(同)、日本調理機㈱関西支店(大阪)。工期は来年2月5日で、4月から本格運用をスタートする。