日高川町議会は21日午後再開。 3月議会でいったんは白紙となった初湯川の道の駅整備事業の測量設計委託料1050万円が含まれた補正予算案を9―6の反対多数で否決した。 これによって道の駅整備事業は事実上凍結。 補正予算案には災害復旧費をはじめとする急を要す重要な予算が計上されていることから、 町側は同整備事業の関連費用を除いた予算案を再提案、 25日午前9時から開会する臨時議会で審議される。
 道の駅整備事業は国道424号平大橋西、若者広場付近を造成整備し、椿山ダム近くの地盤沈下で改修が必要な美山産品販売所を移転、国の支援で道の駅として新設する計画。産品所のほか、トイレ、駐車場、飲食ブースなども併設。平成26年度完成を目指していた。総事業費は約2億円。
 この日午後からの補正予算案の審議では、質疑に続いて討論に入り、反対派からは道の駅計画についての意見が集中。林睦二議員は「将来の展望が不安。希望的観測が多く、現実的に考えてほしい」、入口誠議員も「計画内容は3月から本質的に変わっていない。後世へ借金を残す可能性のある施設」、信濃大典議員は「3月議会から3カ月たったが住民の不安が払しょくされるような計画ではない」と訴え、原孝文議員は「他の案件の予算と抱き合わせてではなく、本来なら別々に提案すべき。すぐに執行しなければならない予算もある」と提案の方法について痛烈に批判した。これに対し賛成派の山本啓司議員は「地域の声が運営に生かされるはず。今後納得できる事業プランが提示していただけると信じている」、龍田安廣、堀江才二両議員は「美山の活性化にどうしても必要な施設」、山口武議員は「レストランを外して身軽となった計画を評価したい」と計画推進へ意欲を見せ、小畑貞夫議員は予算案に「災害復旧費や子どもたちの費用など町民の思いが詰まっている。予算案を認めることこそが正しい判断」と賛成の姿勢を見せた。採決の結果、反対は瀧口俊和、熊谷重美、堀辰雄、入口、林、原、信濃、山本喜平、柏木道生の9氏。賛成は井藤清、山本啓司、堀江、龍田、小畑、山口の6氏。玉置俊久町長は「こちらの思いが十分に伝わらなかった。非常に申し訳なく思っている。議会の判断は真摯(しんし)に受け止めます」と話している。
 計画をめぐっては、3月議会で当初予算案に設計委託料と造成費6111万3000円が計上されたが、一部議員が見直しを求めて同事業費を削除した修正案を提案。8―7の賛成多数で可決され、計画は白紙に戻った格好になっていた。
 補正予算案には道の駅事業の測量設計委託料のほか、昨年の台風12号で被害を受けた皆瀬橋、丸山橋の改良復旧工事費など災害復旧費や暑いシーズンを前に小学校のエアコン購入費など、早期執行しなければならない重要な予算も多数ある。こうしたことから町側は原案ではなく、道の駅事業を除いた修正案で再提案することにしており、25日の審議では全会一致で可決すると見られる。