市内森岡地区産業廃棄物処分場建設計画への意見具申を保留している柏木征夫市長は20日、 議会一般質問の中で産廃反対派が懸念している埋め立て品目追加に触れ「いまは予定の8品目以外考えていない」 と明言し、 県に8品目の順守を求めていく考えを示した。 住民の不安の声にある程度配慮しながらも、 計画に反対することなく容認するスタンスといえそうだ。
 楠本文郎議員が「住民の不安の声をどこまで聞いてくれるのか」 と質問したことに対する答弁。 最初に楠本議員は県の第3次廃棄物処理計画に基づく将来的な県内の最終処分量の数値を示しながら、 「いま県内に森岡のような新たな処分場建設は必要ない。 森岡処分場の容量は150万㌧、 8品目で15年間埋め立てる計画だが、 到底期間内に満杯になるとは思えない。 そうなると、 民間経営の観点から計画した処分容量を確保しようと、 8品目以外も追加するなど廃棄物をかき集めるようにならないか。 県は申請すれば追加も可能としており、 ダイオキシンの恐れがある焼却灰や、 成分不明の製鉄の残りかす (鉱さい) を持ち込むようになるのではないか」 と指摘した。
 これを受けて柏木市長は 「県内で処分場をつくっても埋め立てる廃棄物がなく、 容量が余るというが、 余るのならそれはそれでいいこと。 将来のために捨てる場所を確保しておくことも大切」 と切り返しながらも、 「いまの計画は8品目となっており、 それ以外考えていない」 ときっぱり。 さらに 「計画に反対している塩屋の会のメンバーから提出された要望書を精査して、 心配ごとのないような方法にしていきたい。 意見具申は、 地域の人が心配しないよう県に真摯 (しんし) に考えてもらう内容にしたい」 と述べた。
 答弁の中では 「8品目を順守するよう県に求める」 とまで言及しなかったが、 県への意見具申の内容は、 住民の不安にも配慮して8品目順守の方向で調整されるとみられている。