日高川町議会は18日に再開。 一般質問の中で、 白馬山脈で計画がある風力発電事業 「広川・日高川ウインドファーム」 が年内着工へ準備を進めていることが分かった。 同町にとって白馬ウインドファームに続く2つ目の風力発電で、 2000㌔㍗の風車10基を設置、 総発電量は2万㌔㍗。 エコのまちを目指す町にとっても期待は大きいが、 その一方で計画が浮上していた蛇尾地内の太陽光発電所の進出中止も明らかになった。
 山本啓司議員の質問 「再生可能エネルギーへの取り組み」 に対する執行部の答弁で分かった。 山本議員は 「東日本大震災による原発事故を受け、 再生可能エネルギーへの期待は高まっている。 町も自然に優しいエコの町として数々の取り組みを行っているが、 今後のビジョンと計画を教えていただきたい」 と質問。 玉置俊久町長は風力発電に関して広川・日高川ウインドファーム事業の計画を明かし、 「今後も企業誘致を推進していきたい」 と意欲を見せた。
 事業は、 白馬ウインドファーム東側に当たる同町平川地内と広川町の町境に風車を設置し (各町5基ずつ)、 風車で起こした電力を関西電力に売電する計画。 事業主は国内初の風力発電専門会社で全国21カ所で事業を展開、 国内4位の設備容量を誇るエコ・パワー ㈱(本社東京)。 風車は高さ75・8㍍のタワーに直径80㍍のブレード3枚を設置。 送電線は地下へ埋め込んで景観に配慮したつくりとし、 ことし中に着工、 26年度中の完成を目指している。
 順調に進む風力発電事業のかたわら、 まちみらい課の熊代夏樹課長は太陽光発電所の進出中止を報告。 「企業の方針が変わり、 蛇尾のような小規模発電への取り組みは進めないことになった」 と進出中止の理由を説明し、 理解を求めた。 計画は町土地開発公社が保有する早蘇中学校南側の企業団地に、 大手の風力発電事業会社が太陽光発電所を建設。 太陽電池パネルを設置し、 発電した電力を売電する仕組みで、 進出に向けて御坊市EEパークでのデータ収集で日照時間も問題ないことを確認するなど内部調査を進めていた。
 町ではエコの町づくりへ椿山ダムをはじめとする水力発電事業のほか、 一部温泉施設には木質パウダーによるバイオマス燃料供給システムを導入しており、 川辺西・笠松の両小学校とかわべテニス公園では太陽光発電を行っている。 風力発電については白馬ウインドファームとエコ・パワーの事業のほか、 田辺市龍神村まで白馬山脈尾根沿いに進出を考えている企業もある。