市と日高広域両消防本部は、コンクリートや鉄でも切断、掘削できる新しい救助機材を導入した。南海地震など大規模災害の発生が懸念されている中、倒壊した家屋からの救助活動等に威力を発揮する優れもの。充電式のため電源がなくても使用できるなど機動力抜群で、1分1秒を争う災害現場での救命率アップにも期待されている。
 両消防とも、大きな災害が発生したときに他府県にも出動する緊急消防援助隊に登録していることから、国からの支給を受けた。導入したのは木材はもちろん、コンクリートや硬質ゴム、鉄管、合成樹脂などあらゆるものを切断できる電動ノコギリタイプの「レシプロソー」と、電動ドライバータイプの「ロータリーハンマードリル」の2種類。専用の刃やドリルをワンタッチで取り付けるとすぐに使用可能。充電式で、停電などで電源を確保できなくても活動できるなど機動力抜群。災害時だけでなく、交通事故などで車内から救出するときなど幅広く使用できる。
 両消防とも救助工作車に搭載している。日高広域消防の山西良一警防課長は、「近い将来の発生が予測されている南海地震だけでなく、大雨や台風による土砂災害なども懸念される。災害時には手軽に使える機動力を発揮して、人命救助につなげたい」と力を込めている。