震災等によるライフライン寸断に備え、 飲料水等の確保のために美浜町が進めている地域の災害用井戸の整備で12日、 和田東地区の民家の井戸に第1号となる手押しポンプが設置された。 停電時も水をくめるように、 住民が10基の手押しポンプを町に寄贈。 水質検査で飲料用として問題がないと判定された井戸は14カ所あり、 順次、 住民寄贈分と町購入分を合わせてポンプを設置していく。
 手押しポンプは昨年の東日本大震災のあと、 被災地のニュースを見た和田の会社役員小松雅也さん(81)が地域のために役立ててほしいと、10基を町に寄贈した。 町はこれを受け、 町内12地区の自主防災会に呼びかけ、 地区ごとに災害時に住民が利用できる井戸の整備を推進。昨年度、10地区から計30カ所の個人所有等の井戸について水質検査の要請があり、 28カ所の水を県医薬品公衆衛生検査センターで調べてもらったところ、 半分は飲料水として利用できることが分かった。
 12日に設置されたのは、 和田東地区の田口則男さん宅の井戸で、 深さは約6㍍あり、 普段は畑や洗濯の水に使用。 今後、 災害による断水時には住民が飲料水、 生活用水として利用する。
 ポンプを寄付した小松さんも現場を見に訪れ、 「昨年3月の寄贈からこの日を待ちわびていました。 住民はみんなあの東北の被災地のニュースを見て、 水の大切さを理解しているはず。 このポンプが安全、 安心につながればと思います」と話していた。