印南町が、平成21年度から岐阜県の㈱フォスに委託し切目川中学校跡地(羽六)で行ってきたボックス式によるワサビ栽培は、水温などの問題から栽培不適地だったことが分かり、今後の事業展開を断念した。12日に再開した議会一般質問で、担当課長が説明した。
 県のふるさと雇用再生特別基金を活用し、中学校跡地でフォスが開発したボックスを使って栽培の可能性を探っていた。栽培は平成22年の猛暑で一度全滅、同年12月から再スタートしたが、高温による病気が影響し、昨年11月にはほぼすべてが枯れてしまった。議会では井上孝夫議員が「真妻わさび復興事業の成果は」で質問。担当課長が経緯を話し、「失敗はしたが、植え付け時期の重要性が分かり、取り組みによる真妻わさびの知名度アップなどもできた」と説明。川又で進められている真妻わさび振興協議会の復興事業は引き続き継続していく。
 また議会ではフォスが公的料金を滞納し、町からの委託金が差し押さえになっていたことも明らかになったが、事業への影響はなかったという。