由良町の畑中雅央町長が2期目の重点施策に掲げている町内3保育所の統合で、新施設の建設候補地が旧畑小学校の敷地に決まった。旧畑小は今春廃校になっており、海抜39・2㍍の国道沿いに位置している。心配される津波被害などの安全面を最優先に、町有地の有効活用、利便性、経済性など多角的に検討した結果、適地と判断。今後は7月中に説明会を開き、住民に理解を求めていく。
 旧畑小は、畑地内、国道北側にあり、グラウンドと校舎などの敷地面積は約3900平方㍍となっている。町住民福祉課によると、東日本大震災以来、沿岸部では特に津波被害の心配が増しているが、海抜は安全の目安とされる20㍍を大きく上回る。さらに町有地のため新たに土地取得や造成したりする必要がないうえ交通の便がよく、敷地の広さも問題ないことから候補地に選ばれた。
 開会中の6月議会に提案されている一般会計補正予算に新築工事設計業務、建設地地盤調査、旧畑小解体工事設計・監理業務の各委託料計3070万円が計上されており、今後は平成26年4月の新施設開園を目指して事業を進めていく。新施設では保育時間の延長、0歳児保育などの新サービスを計画。子育て支援の充実を図る。
 ことし4月現在の園児数は中央112人、白崎42人、衣奈19人の計173人。3保育所とも海抜は20㍍未満。
 町では7月中に3保育所で住民説明会を開く。保護者らの要望を聴きながら送迎バスの運行方法、サービス内容などの詳細を煮詰め、本年度中に旧畑小の施設解体、来年度中に建設工事を行う方針。