短歌の全国結社、新月短歌社(筒井早苗代表)の平成24年度全国大会が大阪市内で開かれ、同人の田端喜美子さん(79)=美浜町吉原=が努力賞を受賞した。10年前に脳梗塞で倒れてから左半身が不自由となり、外出には車いすが必要だが、大会には1人で出席。「JRの職員さんや会員の皆さんに助けていただいたおかげ。受賞も、大阪まで車いすで行けたことも忘れられない思い出になりました」と感激の面持ちで話している。
 田端さんは歌歴45年。 倒れてからも短歌は休みなく続けており、 地元で長くはまゆう短歌会会長、 現在は顧問。 北原白秋の流れを汲み格調の高さで知られる新月短歌社には25年前に入会、 和歌山支部の支部長を務める。
 新月は全国200人の会員がおり、 ことしは3人が努力賞を受賞。 年間の作歌活動が評価された同人に贈られる賞で、 日高地方からの受賞は今回が初めて。 全国大会は、 共に出席を予定していた友人が都合で行けず一度はあきらめたが、 会場がJR大阪駅と直結していることもあり、 乗り換えや移動の際はJR職員がサポートしてくれるときいて1人で車いすで出席した。 田端さんは 「環状線の延着で迎えの人には会えなかったのですが、 大阪駅の職員の方は改札を出て会場まで連れていってくださり、 本当にありがたかったです。 皆様のおかげで思い出深い全国大会となりました。 受賞は支えてくださった皆様のおかげです。 短歌を続けてきたことで人の温かさに触れることができ、 うれしく思います」 と喜びを話している。