高齢者福祉の充実を目指すみなべ町は、 町内に認知症対応型共同生活介護施設 「グループホーム」 を開設する事業者を4日から公募する。 進出を促すため、 本年度中に開所する事業者には施設建設費などで最大4080万円を補助する。 町内の介護認定者は年々増え続けており、 受け皿の整備が課題となっていることから、町では 「法人の進出で、 地域密着型サービスの向上につなげたい」 と期待を寄せている。
 日高地方の多くの市町で同様のグループホームが運営されているが、 みなべ町にはまだない。 平成17年からグループホーム1ユニット(定員9人) を計画して民間の進出を待ったが、 問い合わせはあったものの、 結果的には1ユニットでは採算面で運営が厳しいことから進出事業者は見つかっていない。 一方、 介護認定者は年々増加。 平成17年度は584人だったが23年度末には758人に増えており、 町民からのニーズに応えるためにも進出を一層促そうと、 事業者の採算面を考慮して計画を2ユニット(定員18人)にし、 補助を決めた。 31日の町議会で4080万円を盛り込んだ補正予算が可決され、 4日から7月3日までの1カ月間、 事業者を募集する。
 応募資格は、法人格があり、 本年度中に施設を開設できる事業所。運営を直接行えること。締め切った後、町内の医師や歯科医師、民生委員、区長会、特養職員ら12人で発足した「みなべ町介護保険運営協議会」が審査し、決定する。質問等は4日から15日まで文書かファクスでのみ受け付ける。利用者の対象は要支援1から要介護5までの認定を受けている人で、原則的に町民だけ。
 町では 「お年寄りが要介護状態となっても住み慣れた地域で生活ができる環境を整えるため、 グループホームの進出には非常に期待している。 どれだけの応募があるかは未知数だが、 高齢者福祉のさらなる充実につながるよう取り組んでいきたい」 と話している。 同様の公募は上富田町などでも実施されている。