みなべ町シルバー人材センターの23年度事業報酬 (売り上げ)が、初めて5000万円を突破した。平成17年の設立から右肩上がりだ。 おおむね60歳以上の171人が登録しており、 生きがいや健康維持にも働くことは重要だし、まちの活性化にもつながるので喜ばしい。いまや60歳や70歳なんてまだまだ現役で活躍できる年齢で、利用者からは実際、真面目で丁寧な働きぶりが好評を得ている。 高齢化が進む中、 現役引退後も能力を生かして活躍する場があるのは、 お年寄りにとっても心強いだろう。
 一方、同センターの報酬が年々伸びる背景にも、 高齢化が影響している。 一人暮らしのお年寄り世帯が増えていることで、 掃除や洗濯、 庭の草刈りなど生活支援へのニーズが高まっていることと、 農家の高齢化でこれまで自分でやれていた急斜面の草刈り等の作業ができなくなった。 この傾向はこれからも続くだろう。 少子高齢化、 核家族化の加速が与える影響はこれだけではない。 どのまちにもいえることだが、 今後は空き家がかなりのスピードで増えてくることが予想される。
 空き家が増えれば、どんな問題があるか。いま最も懸念されていることは、 防災面だ。老朽化が進んだ空き家は、地震の揺れで倒壊すると、場合によっては避難路をふさいでしまう。草刈り等の手入れがされなければ不法投棄の温床となるし、放火される危険もある。手入れするもしないも所有者の意向だが、放っておくわけにもいかない。シルバー人材センターが空き家を定期的に管理する態勢を整えるのも一つの方法ではないか。今後は行政が所有者に働きかけるなど、積極的にかかわっていく必要があるだろう。  (片)