ワールドカップ日本代表選抜戦を兼ねた第29回オープントーナメント全日本ウエイト制空手道選手権大会が大阪市で開かれ、新極真会和歌山支部御坊道場から男子中量級に出場した和歌山高専4年、前田勝汰選手(18)=美浜町和田・二段=が見事初優勝を決めた。決勝は大会2連覇中の絶対王者、島本一二三選手(26)と対戦。延長、再延長の末、判定で破り、来年4月、リトアニアで開かれるワールドカップ代表の座を勝ち取った。
 ワールドカップの第1次選抜戦となる今大会は昨年の世界大会後初のビッグイベントで、男子は決勝進出、女子は優勝すれば日本代表に決定。新極真会和歌山支部御坊道場からは前田選手と、前田選手の兄で軽量級4連覇を目指す優輝選手(20)=大阪体育大3年・二段=がエントリーしたが、優輝選手は残念ながらけがのため欠場した。
 59人が出場した中量級は、3連覇を目指す島本選手(広島支部)、一撃必殺の技を持つ加藤大喜選手(愛知山本道場)が注目株。勝汰選手はおととし、昨年と2年連続ベスト8止まりだったが、昨年はオーストラリア大会無差別優勝、全関西大会中量級優勝、県大会無差別優勝と成長著しく、今大会は1回戦から得意の突きの連打やフットワーク、蹴りも冴え、準決勝では強豪の加藤選手を3―0の判定で退け、決勝進出を決めた。
 決勝の相手はやはり島本選手。2分間の本戦は勝汰選手が突きや下段蹴りで優勢だったが、5人の審判の判定は2―0であと1本足りず、延長戦(2分間)、再延長戦(同)にもつれ込んだ。最後は勝汰選手が気力で圧倒、最後の1秒までひるむことなく攻め続け、4―0の圧勝で島本選手の3連覇を阻み、悲願の初優勝をもぎ取った。勝汰選手は「決勝戦は苦しく、くじけそうになったけど、みんなの応援の声が聞こえて最後まで頑張ることができました。また一生懸命稽古をして、来年のワールドカップは必ず優勝します」と話している。
 兄の優輝選手はワールドカップ第2次選抜戦となる10月の全日本大会(無差別)に出場、兄弟そろっての日本代表の座を目指す。