16年ぶりの一騎打ちを繰り広げている市長選は、 いよいよラストスパートに入った。 戦況をみると、 やはり盤石の支援態勢で幅広く支持を固める現職柏木征夫氏(71)が優位に立ち、 新人山本勝也氏(51)が現職批判票や無関心層の掘り起こしで巻き返しを狙う構図となっているが、 両陣営にこれまでの手応えを聞いてみた。
 山本陣営 候補者本人が乗る車での街宣は朝と昼からの2回程度で、大半は精力的に自転車での街宣。名田町まで行くと往復2時間はかかるが、自転車のスピードでいけばまちの様子について再発見することも多い。明神川までいったときは相手陣営がちょうど車で街宣にきており、有権者から「自転車でよく頑張っているな~」と励ましの言葉もあった。車で追いかけてきて「あとで話を聞いてほしい」という人もおり、事務所で1時間、農業や漁業、高齢者対策の訴えを聞くことも。また、事務所にはいままで顔も知らなかった人が集まってきて、ボランティア的に手伝いをしてくれるようになった。何よりも現職に対する批判の声が日増しに高まっているのがひしひしと感じられる。電話をかけてきて不満をいったり、事務所に関係資料を持ってきたりする人もいる。戦況は確実に上向きになっている。
  
 柏木陣営 前哨戦から行っていた市政報告会では延べ2000人の有権者と顔を合わせており、来場者からは「市の財政状況や防災対策など難しいことも分かりやすく説明してくれた」と好評。特に高い建物がない市街地で、津波の避難場所となる市役所庁舎の建て替えについて時期や財源確保など明確に方針を示しており、有権者から寄せる期待を感じている。また、人員削減などで財政の安定化を実現したことに対する信頼も大きい。車での街宣では、畑仕事をしている人が手を止めて手を振ってくれたり、家の中から出てきて声援を送ってくれたり有権者の反応がすごくよい。中には「市長さんもあまり無理しないでくださいね」と励ましの声をかけてくれる人もいる。しかし、安泰ムードで「大丈夫だろう」といわれるのが一番の心配。当選の手応えは十分だが、油断大敵、最後まで走り抜くことが大切だ。