21日には、 月と太陽とが重なってリング状に見える金環日食が観測された。 各地ではさまざまなイベントが催され、 神秘的な天体ショーに盛り上がった。 那智勝浦町では、 日食のリングを婚約指輪に見立ててプロポースするというユニークなイベントも展開された。
 実は筆者、 直前まで観察に必要な眼鏡を購入していなかった。 それで出勤途中にコンビニに立ち寄って買おうとしたのだが、 店員からは 「もう売り切れです」 という言葉。 2軒目に回ったコンビニでも同じ。 半ば諦めていたのだが、 3軒目のコンビニで 「おまけの眼鏡なら、 あと1つだけ残っています」 という言葉が返ってきた。 菓子を2つ買うと、 観察用の眼鏡が1つプレゼントされるという。 普段は菓子をほとんど買うことがない筆者も考える余地もなく購入し、 無事にゲットした。
 結局、 当日は曇り空だったため眼鏡を使わなくても見えたのだが、 この菓子メーカーのアイデアには感心した。 多くの人が観察用の眼鏡を必要とし、 直前には品切れ状態となることも予想できた。 チャンスを狙った企業の上手い販売方法だ。 物が溢れている現代社会では、 ただ単に商品が優れているというだけでは売れない。 こうした販売戦略のアイデアが必要になるだろう。
 次の天体ショーは6月6日。 金星が太陽面を右から左へ通過するという現象が観測できるそうだ。 この日は、 紀南地方の梅産地の関係者で構成する紀州梅の会が制定した 「梅の日」 でもある。 金環日食と比べると話題性は低いが、 なんとか金星の太陽面通過に引っかけた梅のPRや販売方法のアイデアがないものなのか。        (雄)