市内森岡産業廃棄物処分場建設計画は現在県の建設認可待ちとなっているが、 周辺地区の住民でつくる 「塩屋産廃の中止を求める塩屋の会」 の活動が一層活発化している。 去る8日には県庁を訪れ直談判したほか、 今後は中止を求める訴訟を起こす構えも見せている。 県は 「粛々と認可の審査をする」 と話すにとどめているが、 産廃計画がどうなっていくのか注目される。
 塩屋の会ではかねて学習会や署名活動、デモ行進などを行っており、去る8日には塩谷真一・橋本厚洋代表世話人はじめ「産廃から御坊・日高の自然を守る連絡会」のメンバーが県庁循環型社会推進課を訪問。「塩屋の地域には豊かな自然が残っており、昨年はコウノトリ、ことしはシラサギも飛来。産廃が計画されている下流域となる王子川の河口ではアサリなどの潮干狩りもされている地域」などと説明し、産廃から汚染水が浸出して下流域に与える被害への不安を訴えた。これに対して県側は「汚染水の浸出を防ぐ遮水シートの耐用年数などを慎重に検討している。建設計画地の近くに給食センターがあるが、現在事業者に対して粉じん対策の強化を求めている」などと回答したが、今後の進め方については「計画内容の縦覧や関係市町の意見聴取の時期は決まっていない」として、認可を下ろす時期についても言及しなかった。
 直談判を終えて塩屋の会のメンバーらは「産廃の計画を中止に追い込むにはまず県が認可を下ろさないことが大切。ただ、県は県内初の管理型施設ということで相当慎重に審査しているのは間違いない。あとは関係市町の首長に反対意見を具申してもらうこと」とし、さらに「計画は区と地権者が同意すれば進めることができるとなっているが、影響が心配される周辺地域の同意も必要だという観点で訴訟を起こす動きも出ている」 と話している。