印南町は中学生のIT化と授業の充実を図るため、 タブレット型端末 「ⅰPad (アイパッド)」 を導入する。 本年度中に町内3中学校のうちの1校1学年に取り入れ、 試験的に実施。 効果があれば他校へも広めていく方針で、 全国的にも先進的な取り組みに期待がかかっている。
 アイパッドはアメリカのアップル社が開発したタブレット型のコンピューター。持ち運びが簡単で、ほとんどの操作をタッチパネルによって行うのが特徴。アプリ(アプリケーション)と呼ばれるソフトウエアを組み込むことで、さまざまな機能を追加することができる。
 町では、日裏勝己町長が公約に掲げていた子どものIT化への対応と、より充実した授業の実施を目指し導入を決めた。実施する学校や学年はまだ決まっておらず、具体的な活用方法も今後教員らで視察などをして研究を進めるが、教育教材用のアプリを活用していく。アイパッドは町で購入して子どもへ貸し出し、宿題などで必要なときは持ち帰っての利用も可能にする見通し。町では「インターネットにつなげることで、検索機能を使っていつでもどこでも調べ物ができるようにしたい。新たな器機を取り入れることをきっかけに、子どもに勉強への興味を持ってもらいたい」と話している。今後、議会へ予算を計上し、本年度中に試行し、効果があれば他校でも実施する。
 アイパッドを使った授業の取り組みは、全国的には、徐々に出てきている。アメリカのカリフォルニア州の中学校では、アイパッドを利用したデジタル教科書利用者と、紙の教科書利用者の試験的比較調査を行い、アイパッド利用者の方が高い成績を残す結果が出ている。