8日に告示された由良町長選は、立候補の届け出締め切りの午後5時になっても受け付けしたのは現職畑中雅央氏(67)=衣奈=だけ。町職員から通算50年近い行政経験を持つベテランに厚い信任が集まり、無投票で2選が決まった。同町長選の無投票は8年ぶり6回目。畑中氏は2期目へ向けて「『ふるさとに誇りと活力を』をモットーに、この4年間いままで以上に全力で取り組んでいきたい」と力強く語り、子育て支援施策の充実や町道改良完成へ意欲を見せた。
 午後5時すぎ、無投票当選の情報が網代地内、商工会館西の選挙事務所に届くと、一気に祝福の拍手が湧き起こった。町内2周の街宣を早く切り上げ、300人以上の支持者らと一緒に待機していた畑中氏も安堵 (あんど) の表情。 妻・トヨコさん(64)とともに、孫の畑中佑介君(11)・孝太君(8)=堺市=兄弟から花束を受け、万歳三唱などで喜びを爆発させた。
 祝賀会は午後5時20分ごろから選挙事務所前の広場であり、後援会の川口洋治会長が「無投票当選は多くの支援のおかげ。これからの4年間も由良町、住民のために精いっぱい頑張ってくれると信じている」 と謝辞。 冨安民浩県議や県町村会会長の中山正隆有田川町長らかも祝辞が寄せられた。 その後、 壇上に上がった畑中氏は「2期目を無投票で飾ることができたのは皆さんの支援のたまもの。この4年間、いままで以上に全力で取り組んでいきたい。町議会、町民一体となって取り組んでいかなければ活性化はない。 皆さんの協力を得て『ふるさとに誇りと活力を』をモットーに頑張っていきたい」と決意を表明。防災対策強化や幹線道路整備、 産業振興など5項目の公約をあらためて示したうえで、一層の住民福祉向上、町勢発展へ意欲を見せた。
 畑中氏は町職員、収入役、副町長を経て平成20年5月に無所属新人との一騎打ちを制して初当選。1期目は財政難の中も、子どもの医療費無料化、シルバー人材センター設立、津波避難路整備、下水道事業推進、公共施設の耐震化などに取り組んできた。2期目の町長選へは昨年12月議会で出馬表明。町内外17団体から推薦を受け、対抗馬のうわさすら聞こえないまま独走ゴールを決めた。
 畑中氏は祝賀会のあと記者会見。5項目の公約の中で子育て支援については「平成26年4月に町内3保育所を統合させ、0歳児保育などのサービス充実を図って母親たちが働きやすい環境を整備したい。統合保育所の場所を今年度中に選定し、来年度に整備にかかりたい」と具体的なスケジュールに言及。幹線道路の整備促進については特に衣奈―三尾川間の町道改良をあげ、「広川町から白崎へのアクセスがよくなり、観光振興につながる路線。観光協会からも改良の要望が強い区間で、この任期中にぜひ実現させたい」と約束した。
 2期目の任期は19日からとなるが、初登庁は一足早く15日に行われる。