JAや県うめ研究所などで構成する日高果樹技術者協議会(佐原重広会長)は27日、うめ着果状況調査の結果を発表した。着果数は、過去10年の平均値に比べて2割以上の減。1~2月の低温と乾燥で開花が遅れたことが響き、生育ステージも例年に比べ1週間程度遅れている。農家によっては「着果は例年の半数程度で、近年にない不作」と心配そうに話している。
 調査は24・25の2日間、みなべ町130園、印南町20園、御坊市7園、日高川町19園の計176園で実施。協議会のメンバー20人が各園で平均的な木を1本選び、側枝2枝(直径2㌢程度)の枝先の着果数等を調査した。
 主要産地みなべ町の岩代・南部、上南部、高城、清川を含め、印南町、御坊市、日高川町すべての園地で着果数は少なく、過去10年平均値から2割以上も減。100節当たりの着果数が前年の半数程度という園地もあった。
 生育状況は昨年同様、例年に比べて1週間程度遅れており、高城や清川地区ではさらに遅れている。冷え込みが必要な昨年11月~12月の気温が高く、逆に少しでも温かくなってほしい1~2月にかけて冷え込みが厳しかったことが大きな要因。まだ硬核期(種が固まる時期)を迎えておらず、本来なら始まっている第2次生理落下も始まっていないという。一部の園地では「かいよう病」や「うどんこ病」の発生もみられた。
 農家は「着果は例年の半数程度。さらに生育も遅れており、このままでは不作といわざるを得ない。ようやく気温が高くなってきたので、今後生育がよくなって実が大きくなってくれればいいのだが...」と祈るように話している。同協議会では「着果状況は園地条件によって差はあるが、調査園地全体として例年より少ない。今後の気象条件によって、実が肥大すれば全体的な数量は変動するので、現時点では収穫量は予測できない」と話している。