陸上自衛隊和歌山駐屯地が創立50周年を迎え、28日、記念行事が行われる。隊員は国土防衛のための訓練をはじめ、国連平和維持活動や難民救援、国際緊急援助隊として海外に派遣されており、国内では被災地の救助・復旧支援、部外土木工事などに貢献。美浜町では毎年夏に盆踊りで地元住民と交流、スポーツ大会にも積極的に参加している。
 和歌山駐屯地の記念行事では、駐屯地内の記念式典のほか、災害救援をイメージした装備車両の観閲行進も行われる。これに一部住民が反対の声を上げ、28日には抗議の集会を開く。「本来戦争を行うための車両を一般市民の前に誇示するパレードは平和憲法の理念に反する」「煙樹ケ浜での水際地雷敷設訓練実施への地ならしだ」という。
 国民による選挙が行われず、言論の自由もない国が日本にミサイルを向け、それがいつ飛んでくるかもしれない状況のなかで、自衛のための戦力(自衛隊)を放棄することが平和につながるのか。自衛隊が訓練を重ね、防衛力を高めることが抑止力となって、戦争が起きないのが現憲法下でベストな状態ではないのか。
 核を持ち、少数民族を殺りくし、自国民を飢え死にさせ、他国の領土とエネルギー資源を奪う周辺の「平和を愛する諸国民」の公正と信義に信頼するのもどうかと思うが、日本人は自国の防衛と国内外の被災民、難民のために命がけで活躍する自衛隊員に対し、もっと純粋な感謝と尊敬がなければならない。
 自衛隊にも、煙樹ケ浜の地雷訓練に反対する人たちにも、そして圧倒的な物言わぬ多数派の人たちにも、いつか来た道を再び歩み、他国を侵略すべきだと考える人はいない。反戦、平和を願う気持ちは同じである。   (静)