市内寺内町のシンボルといえる横町の「中川家邸宅」を取り壊しの危機から救おうと、市内有志の御坊まちづくり委員会(野村義夫会長)が購入希望者を募っているが、12日までに数件の希望者が出ていることが分かった。地元や大阪などの個人と法人で、中にはいわゆる大富豪もおり、購入の可能性は十分。古い町並み保存へ今後の交渉成立が期待されている。
 同委員会によると、中川家邸宅は、敷地面積約320坪、延べ床面積150坪の市内最大の住宅。昭和10年、当時1000円で一般住宅が建てられた時代に10万円の巨費と5年もの工期をかけて建築され、「日高御殿」と称されたほど。しかし、30年以上空き家だったこともあって、大阪在住の所有者としては管理が困難となってきたため、更地にしようと進めている。これを知った委員会では寺内町観光の一環で古い町並みを保存しようと、同邸宅の取り壊しに待ったをかけるために所有者と交渉。土地代程度で売却してもらえる約束を取り付け、ことし2月下旬から住居や店舗として購入してくれる人を探している。
 1カ月半の間に、中川家に興味を示す個人や法人から問い合わせが入ってきており、今後の購入に大きな期待。同委員会では「近くその人たちに中川家の内部をみてもらおうと思っている」とし、「土地代は面積からすると約3000万円。ただ、内部の改修費も入れれば全体で6000万円から7000万円が必要と見込まれる」と話している。購入について詳しくは中村裕一県議後援会事務所内の同委員会℡22―1100まで。