和歌山市の新聞社にいた頃、各種スポーツの体験教室をよく取材した。日高地方とは違い野球にサッカー、フェンシングやレスリング等さまざま。元Jリーガーを講師に単発ものもあれば、毎週のもあり、五輪経験者らが子どもたちに競技の面白さを伝え普及に努めている。参加者にとっては一流選手の指導を受ける絶好の機会で、これをきっかけに本格的に志したり、一層練習に熱が入る子も多い。
 日高川町で、元全日本代表選手の大山加奈さんと御坊市出身で元東レ・アローズ選手の芝田安希さんを招いてのバレーボール教室が開かれた。一流選手から教わる機会を作ろうと企画。美浜町出身の岡田俊哉投手ら中日選手の野球教室に続く第2弾で、2人は小中学生80人を指導した。今後も五輪メダリストの元陸上選手や現役アーチェリー選手、女性ペアで人気を博した元バドミントン選手らを招きたいという。
 「上達の早道は本物に接すること」と町体育協会会長の小串親秀さん。先日の教室では子どもたちは憧れの選手からの指導に大感激しながらボールを追っていた。そんな姿を見ていると、レスリング競技で双子でのロンドン五輪出場を決めた県出身の湯元健一、進一の両選手もジュニア時代、教室でシドニー五輪等出場の和田貴広さんから指導を受けていたのを思い出した。町では並行して昨年度からアーチェリー教室も開いているが、これらの教室は選手のさらなる飛躍、接することの少ないスポーツをやり始めるきっかけ、素材発掘へとてもいい取り組み。この中から明日の大山さん、芝田さん、岡田投手が出ることを期待するとともに、アーチェリーなど本格的に志す未来のアスリートも出現することを願いたい。
       (昌)