中山間地域の新たな特産づくりへ、JA紀州中央管内の生産者らが山菜「コゴミ(クサソテツ)」の栽培に取り組むなか、生産者に提供する苗を生産している日高川町高津尾、バイオセンター中津でも収穫時期を迎え、10日に船津のSanPin中津に待望の初出荷を行った。
 バイオセンターでは21年12月からコゴミの栽培をスタート。県の林業試験場から提供されたコゴミの胞子から苗を培養し、これまで約5000株を生産。高齢化による休耕田対策と特産づくりへの作物として注目しているJA紀州中央を通して、苗を管内の生産者らに提供している。この日、バイオセンターでは職員が15㌢程度に育ったコゴミを丁寧に収穫。パック詰め作業を行い、SanPin中津へ搬送した。
 現在、JA紀州中央管内では日高川町の生産者らが栽培しており、平成22年の取り組み開始以降、ことし初めて出荷される見通し。コゴミは繁殖力が強く、一度植えると年々増えていくのが特徴で、手間がかからない。県内ではかつらぎ町や旧清水町、日高地方ではみなべ町の清川などで生産。アクが少なくサラダのほか、天ぷら、パスタ、リゾットなどに最適と人気がある。