津波高が従来想定の3倍近い17・9㍍となった美浜町は、 24年度で新設された防災企画課が情報の収集に追われている。 町は6月以降にも公表される国の中央防災会議の想定を待って、 県とともに新たな地域防災計画を策定するが、 沿岸部に高台や高い建物がないため、 避難場所の確保が大きな課題となる。
 従来の想定 (津波高6・6㍍) では、 日高川の河口に近い浜ノ瀬地区東部、 田井畑、 上田井、 入山、 三尾の一部などが浸水予測エリアとなっていたが、 今回の17・9㍍の巨大津波となると、 従来は越えないとみられていた煙樹ケ浜と松林も乗り越えて押し寄せる可能性があり、 三尾地区も含め町内ほぼ全域が浸水エリアとなる。
 住宅が密集する和田地区には公共施設以外に高い建物はほとんどなく、 町は本年度、 松原小校舎と和田小校舎に屋上へ避難するための外階段を設置する予定。 しかし、 和田小の屋上は20・7㍍、 松原小の屋上は17・5㍍しかなく、 これについても再検討の対象となりそうだ。
 防災企画課の西岡照光課長は 「現時点ではまだこの数字が公表されただけで、 詳しい説明は受けていないので、 いますぐどうこうするとはいいにくい。 確率は低いものの、 これだけ大きな津波が押し寄せるとなれば、 美浜町だけでなく、 御坊市や日高町、 県とも連携して広域で対策を進めなければならない」 と話している。