日高川町道成寺で31日、春公演「桜・舞・道成寺」が催され、上方舞・吉村流師範の吉村古ゆうさんが華麗な舞で約200人の観客を魅了した。
 数々の道成寺関連イベントを手掛けている「おいでよ 日高実行委員会」の主催で、あいにくの雨のため舞台は桜満開の境内から第2縁起堂に変更した。吉村さんは澤千左子さん、古保里恵子さんの地唄に合わせて上方舞『桜づくし』 と道成寺ゆかりの地唄舞『鐘ヶ岬』を披露し、『桜づくし』では優雅な舞で朝・夕・夜とさまざまな桜を演じた。『鐘ヶ岬』では、前半は鐘に恨みを込めてつれない男への思いを舞い、後半は揺れ動く女心や恋心を表現。執念の恐ろしさの中に一途なかわいらしさ、愚かさ、哀れさ、艶やかさといった感情を色っぽく表し、会場を魅了した。このほか日高高校箏曲部が 『GRADATION〈風の彩〉』 を奏でてムードを盛り上げ、道成寺舞踊教室のメンバーが半年間の練習の成果を発表。子どもたち18人は 『菊づくしの一節』 でかわいらしく舞い、一般8人は 『道成寺の一節(梅と燦々)』 で華麗な舞を披露。 桜満開、 春らんまんの境内にも負けず劣らず、会場は華やかな春一色のムードに包まれていた。