5月20日告示、27日投開票の市長選で、現職柏木征夫氏(71)=5期=が30日までに公約をまとめた。引き続き「安心、安全、安定」をキーワードに次期市長任期と同じ第4次総合計画前期実施計画(平成23年度から27年度)の完全実施を掲げ、特に大規模地震の発生が予想されている中で「庁舎改築など防災対策に全力を注ぎたい」と意気込んでいる。一方、対抗馬となる新人の山本勝也氏(51)=島・飲食店経営=も今週中に公約を発表する。
 柏木氏の政治信条は 「安心、 安全、 安定をキーワードに市民とのパートナーシップのもと 『住んでいてよかったと実感できるまち』 をつくるため、 さらなる行財政改革の推進を図るとともに、 社会情勢や経済状況の変化に対応できる安定した市政を目指す」 とし、 「軸がぶれない市政運営をモットーにしている」 と話している。 そういった中で第4次総合計画前期実施計画に基づき、 公約に①学校教育や生涯学習の充実を図り家庭・学校・地域の連携による教育力の強化②地域社会の絆を育み、子育て世帯への支援や高齢者・障害者福祉サービスの充実③災害を未然に防止するための基盤整備や万が一の発生時に適切な対応ができる体制づくり④あらゆる産業の成長を促進⑤生活道路の機能向上を図り、幹線道路や公共下水道の整備推進の5本柱を掲げている。
 特に重点を置いて考えているのが地震や津波などの防災対策で、「いまの庁舎は耐震診断で改修が必要との判断が出ており、 改築するために23年度から基金を積み立てているが、 次期任期中に事業着手できる一定の道筋をつけたい。 予算は約20億円が見込まれるが、 積立金が5億円たまって財政調整基金から5億円を取り崩し、 合わせて10億円を確保できれば、 残りは起債でいけるため事業着手できる」 と見通しを立てている。 さらに 「津波の被害を避けるため庁舎を高い場所に移転すればどうかとの指摘もいただくが、 いまの場所で改築したい。 周辺には高い建物が少なく、 庁舎自体が住民たちの避難タワーになる。 庁舎建築は市民と一緒に考え、 工事は地域に恩恵のあるものにしたい」 としている。 また、 「子どもや高齢者、 障害者ら1人1人が津波から逃げられる手段や漂流物対策も考えたい」 と話している。 このほか、 子育て支援の充実では 「24年度から市内3カ所目の学童保育が野口小学校でスタートするが、 ニーズを把握して新たな開設を検討する」、 観光面では 「日高港への大型客船誘致を一層進めたい」 など。
 柏木陣営では臨戦態勢も着々と整えており、 14日には薗の伊勢屋で後援会の事務所開きを予定。 後援会長には御坊商工会議所の吉田会頭が就任することも決まっている。 一方、 山本氏は現在事務所の場所を選定中だとしている。