5月20日告示、 27日投開票の市長選で、 新人の山本勝也氏 (51) =島・飲食店経営=が23日に出馬を表明。 若者定住や少子化対策を公約に掲げ、 「夢のある御坊へ根本的に行政のあり方を変えなアカン」 と決意を語った。 これで現職柏木征夫氏 (71) =5期=との16年ぶりの選挙戦突入が確定的となっている。
 山本氏は 「昨年亡くなった市議の上田季児先生に仲人をしてもらった関係もあり、 政治、 経済の勉強を長年させてもらった。私の政治の原点はそこにあるが、 ただ上田先生と考え方が違うところもある。 まさか自分が市長選に出るとは思っていなかったが、 ことしに入って学生から 『御坊には仕事がないからいてられない』 という声を聞くようになり、 1カ月前に自分の中で出馬しようと決意した」 とし、 「一般からも議会からも誰も声を上げない。 みんな本当に満足しているのか。 満足していないけど現職の支援体制の中で声を上げられないのではないか。 誰かが出なければならない。 出馬阻止の圧力はあるが、 引く気はない」 などと、 出馬への意思が固いことを強調した。
 自身が掲げる公約は具体的にまとまっていないが、 「働く場所を確保して若者定住を進めたい。 若い世代が高齢者を支え、 高齢者が若い世代を見守ってくれるようなまちにしたい。 また、 独自の少子化対策で子どもを増やしたい。 教育やスポーツ面でも、 もっと市が支援できることはあるはず」 と意欲。 「花のまち御坊を発信するために花の新品種開発を進めればどうかと考えている。 漁業は水産加工に力を入れるべき」 などと、 農漁業の振興も考えている。 御坊で問題になっている使用済み核燃料中間貯蔵施設については 「とてもナイーブな問題。 どこかで貯蔵する場所が必要というのは分かるが、 御坊がどうというより国全体で考えるべきこと。 もちろん御坊の市民がノーといえばノー。 私自身の考えは白紙」 と説明した。 最後に 「選挙をすれば100対0という厳しい勝負になるかもしれない。 いまは桶狭間の戦いで今川義元を破った織田信長のような心境。 でも出る限りは勝ちたい。 『天下布武』 という言葉があるが、 『御坊布武』 を目指す」 と意気込んだ。
 昭和50年9月、 旧御坊商工中退、 大阪で料理人の修行をして調理師免許を取得。 現在はライブハウス、 ブティック、 アジアン雑貨販売の経営を行っている。 イタリアレストランの経営経験もある。 公職では平成6年1月から民生児童委員の主任児童委員となり、 現在に至る。
 一方、 今回選挙戦突入が確実視される中、 柏木氏は 「毎回選挙があるのを覚悟している。 選挙があれば市民の声を聞き、 また私の考えを知ってもらえる絶好の機会にもなる」 と話している。