みなべ町の東吉田自主防災会(中本光一会長)と同区婦人防火クラブ(中図弥生会長)は18日、大津波を想定した防災訓練を実施。区民約120人が避難した。
 「マグニチュード9・0の大地震が発生し、高さ10㍍を超える津波が押し寄せてきた」という想定。東日本大震災などを参考に、町自主防災会連絡協議会が提案している①高さ12㍍以上の場所に避難②河川を横断しない経路を選択③車の避難は要援護者などの避難に限定し、自転車やバイクでの避難を優先する④避難に困っている人がいれば可能な限り助け合うに沿って行い、近くの猪ノ山公園や鎌田池公園などに素早く避難した。このあと鎌田池公園に全員が集合。炊き出し訓練を行い、まきを使って豚汁やおにぎりを調理した。簡易担架作りも学習。静岡大学1年生の中本雄介さん、和歌山高専環境都市工学科4年の森一也さんらが講師を務め、毛布と3㍍程度の棒を使って作る方法を指導した。夜は津波の研究者、同高専小池信昭准教授の防災講演を聴いた。中本会長は「万一の時の避難場所や避難経路を日頃から考えてもらいたい」、訓練を見学に訪れた小谷芳正町長は「こうした地域で行っている防災の取り組みを広げていってもらいたい。災害の時はまず、自分の命は自分で守るようにお願いしたい」と話していた。
 今回炊き出し訓練の会場となった鎌田池公園は平成17年度から高速道路の残土を利用して埋め立て、完成。竣工記念も兼ねて今回の防災訓練が行われた。面積は約3000平方㍍で、区民らが植樹や花の植栽活動を展開し、避難場所としても活用されているほか住民の憩いの場にもなっている。