日高川町3月定例会は16日再開。平成24年度当初予算案の審議に入り、設計委託料6111万3000円を計上、総事業費約2億円で計画している初湯川の道の駅整備事業について一部議員から「待った」の声がかかった。売り上げ、集客、維持管理面などの不安が理由で計画の再考を求めている。反対派からは19日にも修正案が提出される見通しで、予算案の原案可決、計画の事業化は微妙な状況となっている。
 14日にあった一般質問での玉置俊久町長の答弁によると、 国道424号平大橋西、 若者広場斜面を造成整備し、 椿山ダム近くの地盤沈下で危険な美山産品販売所を移転、 国の支援で道の駅として新設する計画。 産品所のほか、 トイレ、 駐車場、 食堂なども併設する考えで、 平成26年度完成を目指している。 道の駅の基本構想は国土交通省で認められており、 建設には65%まで国の補助が受けられるが、 来年度から着工しなければならないという。
 この日は質疑だったが、 事業についての賛否の意見が多く出された。 一般質問でも計画をただした林睦二議員は 「建設は国の補助、 残りは有利な過疎債を充てるのはいいが、 将来的に必ず維持管理が大変になってくる。 私たちはこれまでこのような第3セクターの事業で失敗してきたではないか。 今までの経験からみるととても楽観できない。 周辺地域の道の駅の売り上げも芳しくないと聞く。 地域には産品所は必要だが、 計画の練り直しを」 と求めた。 堀辰雄議員も 「事業費自体が6000万円くらいならと思ったが、 2億円にはびっくり。 客が来てくれるのか心配だ。 いろんな人の意見を聞いて進めてほしかった。 議会軽視だ」 と対応に苦言を呈した。 これに対し小畑貞夫議員は 「地域審議会、 友の会など地域の思いを計画に乗せている。 絶対に必要な施設なので進めてほしい」 とし、 山口武議員も 「周辺が観光の名所として知られてきている中、 管理運営委託している民間企業のノウハウも組み入れるのでいいと思う。 運営の心配もあろうかと思うが、 事業化してほしい」 と賛成姿勢を示した。玉置町長は「台風災害があって事業を進めてもいいものかと考えたが、基本構想が認められた今が千載一遇のチャンス。単に再興ではなく、売り上げが多い施設にする。 地域にはごんちゃん漬けに生シイタケ、ジビエもある。地域の人にどんどん参加してもらって、みんなで作る夢わくわくの施設にする」と理解を求めた。 審議は延会となったが、19日も引き続き、道の駅計画について厳しい質疑が続くと見られる。
 現在の産品所は地盤沈下でトイレが使用中止、 本体も基礎部分から柱が浮いている危険な状況。 駐車場も狭く買い物客が不便を強いられていることなどから、町当局はかねて移転整備について検討、一部議員や地元地域審議会などからも要望が出されている。