昨年9月の台風12号災害を教訓に、 みなべ町は衛星携帯電話を4台導入した。 台風では清川地区が一時孤立したが、 ライフラインの寸断とともに連絡の手段がほとんどなくなり、 正確な情報を把握しづらかったことを受けての対応。 役場のほか清川、 高城、 岩代の各公民館に配備することにしており、 町では 「スムーズな連絡システムを構築し、 住民の不安を少しでも解消したい」 と、 一層の防災態勢の強化を図る。
 台風12号では、清川と高城地区の境界にある法手見トンネル付近で大規模崩土が発生するなど清川地区が一時孤立。電話は不通で、役場などとの通信は消防団の消防車に取り付けられている無線だけが頼りだった。区民の安否確認などに追われている最中でも連絡が必要な時にはその都度、無線のある場所まで戻らなければならない状態で、区民からもスムーズな連絡手段の確保を望む声が上がっていた。
 町では本年度補正予算で約100万円を計上し、衛星携帯電話3台を購入。町民から寄贈のあった1台を含めて4台を確保し、今月には清川公民館に1台配備した。残りは当面役場で保管し、台風シーズン前には孤立が心配される地域に配備していく。簡単に持ち運びできるため、例えば携帯電話の電波が不通の地域で山火事や災害が発生した場合、現地対策本部を立ち上げて衛星携帯電話を通信手段にすることも可能。津波も含めあらゆる災害で活用していく。町では「衛星なので圏外になることはなく、確実な連絡が可能になる。使う必要がないのが一番いいが、もしものときはスムーズに連絡できるよう保管場所や方法を十分検討し、よりよい連絡態勢を整えていきたい」とし、防災態勢を強化していく。