市内上野口区(坂口安彦区長)が昨年10月から野口防災センター近くの「とび山」に整備していた「上野口ふれあい公園」が完成し、10日に区民が参加して記念植樹が行われた。
 東日本大震災を受け、津波や日高川の洪水に備えて一時避難場所になる公園を高台に整備しようと、県の23年度紀の国森づくり基金活用事業で180万円の補助を受けて昨年10月から着手。荒れたミカン畑だった場所で、住民ら延べ180人が約5カ月かけて雑木の伐採、遊歩道の整備、標高約30㍍の頂上には東屋も設置した。普段は森を育て親しむ憩いの場とするほか、シイタケ栽培にも取り組む。
 記念植樹には地元住民や小中学生ら約50人が参加。市選出の中村裕一県議も駆けつけ、イチョウやクヌギなどを遊歩道沿いなどに植えていった。スコップを手に木を植えていた和田萌さん(野口小6年)と今井月音さん(同)は、「公園ができてうれしいし、近くに避難できる場所があると安心です」と笑顔。坂口区長は「普段は憩いの場、いざというときは住民を守る避難場所としていきたい」と話していた。