みなべ町の小谷芳正町長(62)=1期=は9日、 任期満了 (10月23日) に伴いことし秋に行われる首長選 (町議とのダブル選) に出馬することを明らかにした。 この日開会した議会一般質問の答弁の中で、 「まだ残っている合併後の課題解決へ、 引き続き全力で取り組みたい」 と態度を表明。 具体的な公約等は今後検討していくが、 「台風12号災害からの一日も早い復旧復興に全力を挙げる」 と決意を示した。
 トップで登壇した岡和雄議員の質問に答えた。 岡議員は、 「この4年間を振り返るといろいろな問題があったが、 昼夜を問わず課題解決に取り組んできた姿を間近で見て、 再任するべきと考えている。 次期町政へ、 はっきりした決断をお聞かせ願いたい」 と、 今後の進退を質問。 小谷町長は 「3年4カ月余り、 議員の皆さんの指導と住民の理解を得て、 職員と一緒に安心して暮らせるまちづくりに全力を注いできた。 自主財源が乏しく財政状況は非常に厳しい中で、 住民の要望に応え、 町勢をさらに発展させていくためにはまだまだ時間を要する。 次世代によりよい形で引き継いでいくために、 引き続き誠実に全力で取り組みたい」 と事実上の出馬を表明した。
 議会休憩中に本紙の取材に応じた小谷町長は、 2期目の出馬を決意した経緯として 「平成16年10月の合併時の約束事だった岩代小学校や高城小学校のプール改修、 水道料金の統合 (進行中) など、 まだ実現できていない課題がある。 合併協議会の事務局長を務めていた責任もあり、 ここでやめるわけにはいかない」 と説明。 今後は後援会等と協議し、 態勢を整えていく。 公約はまだ決めていないが 「昨年9月の台風12号で大きな被害を受けている。 残りの任期も含め、 一日も早い復旧復興に取り組んでいかなければならない」 と、 台風被害からの復旧を最重要課題と位置づけ、 近い将来に発生が懸念されている東南海・南海地震等に備えた減災対策にも力を入れていきたいとしている。
 現時点で首長選に名乗りを上げているのは、 小谷町長だけ。 注目の対抗馬については、 まだ具体的な名前は挙がっておらず無投票ムードが漂っているが、 今後擁立に向けた動きが出てくる可能性もあり、 予断を許さない状況だ。
 一般質問では、 石橋勝教育長が来年4月に上南部小学校区での学童保育開設を目指して取り組んでいく考えを明らかにした。
 楠本誠二議員の 「旧南部町にはすでにある。 上南部でも要望があるのに、 なぜ開設していないのか」 との質問に答え、 来年4月開設をめどに検討していくことを約束。 「昨年12月から1月に上南部保園児保護者104世帯を対象に行った学童保育へのアンケート結果では、 『利用したい』 が全体の93%にも上った。 これだけの要望に早急に応えたい」 と述べ、 「上南部小学校の教室を使うのが一番近道だが、 1教室しか確保できず、 これでは30人ほどしか利用できない。 学校以外で、 いまある施設を転用できないかも考えているが、 改修となれば費用や時間がかかる。 小学校内でのよりよい方法などもっと検討を重ねていく」 とし、 開設場所の確保が最大のネックになっていることを強調した。