印南町で農家グループと地元企業が連携して、山菜の特産化に向けた取り組みが進められている。農家グループが生産し、企業が出荷を担当。主にフキノトウを栽培しており、少しではあるが第1弾の出荷も行われている。いまのところ順調のようだ。メンバーは「まだ海のものとも山のものともわからない状態。これからが本番」と話しており、印南での栽培が適しているかどうかがわかるのは平成27年ごろになりそうだが、今後の進展に注目したい。
 よく「山菜採り」などの言葉は耳にするが、フキノトウは実際に食べたことはほとんどなく、小さいころに近所で採れたフキを食べた程度。取材の際、いくつかいただいたのでてんぷらにしてみたところ、ほのかな苦味があり、おいしかった。最近、スーパーで見かけたが、3つで約200円と結構いい値がするようだ。
 調べてみると栄養価は高く、ビタミンやリン、鉄、銅、食物繊維などが多く含まれている。食物繊維は、満腹感が得られることからダイエットとして人気があるほか、有害物質を体外へ排出する働きがあることからがん予防としても注目されている。
 東北などが主な産地で首都圏へ出荷されているほか、インターネットでの販売も活発に行われているようだ。またフキ味噌や佃煮など加工品として売られているものもあり、現在注目されている地域で生産(1次産業)、加工(2次産業)、販売(3次産業)を行う、「6次産業」化の可能性も秘めている。県内では珍しい取り組みで、今後ミニトマト、キヌサヤ、小玉スイカなどと並ぶ印南の特産になることを期待したい。     (城)