東日本大震災から11日で1年になるのを前に、市内3幼稚園・保育園の園児が東北の被災地へ手作りメッセージを作製。このうち御坊幼稚園(伊藤真園長、園児49人)では、7日に贈呈式が行われ、同園児が作った特大の手紙がお披露目された。歌『手のひらを太陽に』の歌詞を書き、手形を押して「みんな同じ太陽を見ているよ」との思いを込めており、エコキャップ推進協会に託して福島県に届ける。
 メッセージを送ったのは、御坊幼のほか、御坊はこぶね幼稚園とつばさ保育園。3園とも、日ごろからJA紀州中央が取り組んでいるペットボトルのキャップを集めて世界の発展途上国支援や、昨年3月11日以降は東日本大震災の復興義援金にも充てられている「エコキャップ運動」に協力している。今回、JA紀州中央から「被災地を応援するために、何かできないか」との相談を受け、各園ともメッセージを作った。つばさ保、はこぶね幼は思いを書き入れた横断幕などをすでに紀州中央に渡しており、この日御坊幼稚園で、エコキャップ推進協会の永田近事務局長を招いて贈呈式が行われた。
 御坊幼の園児が作ったのは、縦1・8㍍、横2・7㍍の和紙に描いた特大手紙。東日本大震災以降、同園では『手のひらを太陽に』をテーマソングとして1年間を通してうたってきたことから、手紙には年長児17人が歌詞を墨で書き入れた。年中児は子どもたちの顔を切り紙で作り、年少児は大きな太陽の周りに手形を押した。外側には御坊特産のスターチス(花言葉=変わらない心)も散りばめて完成させた。
 贈呈式では、特大手紙の前で園児たちが『手のひらを太陽に』をうたい、つばさ・はこぶねのメッセージと合わせて永田局長に託した。永田局長は「この小さなペットボトルのキャップが縁で、和歌山県と福島県が結ばれ、皆さんの思いが詰まった素晴らしいメッセージを送ることができることに感動しています。このようなメッセージを被災地に送るのは初めてで、福島県の南東北支部を通じて必ず届けます」と約束した。同園の年長児担任の稲田昌代さんは「福島県には行けませんが、みんな同じ太陽を見ています。同じ太陽の下で楽しく遊べるように、この歌で元気になってほしいとの思いを込めました」と話し、被災地の一日も早い復興を願っていた。
 この日は1年間集めたペットボトルのキャップをJA紀州中央のきちゅうくんに手渡し、芝光洋組合長は「これからもお願いします」と協力を呼びかけていた。