台風12号の水害で海岸線に漂着したとみられる流木を使って置物を製作し、それを販売した益金を被災地の日高川町へ義援金として贈るという取り組み。流木は漂着ゴミが問題となっている美浜町の煙樹ケ浜や三尾地内の海岸で拾い集めてくるため地域美化にも役に立つ。被災地支援と一石二鳥のボランティアとなるが、「被災者のために何かできることをしたい」という気持ちを実際の行動に移したところが温かい。
 日高町阿尾(田杭)地内の男性のボランティア。本紙11日付1面の記事で紹介させてもらったが、すぐに自宅へ買い求めに来てくれた人がおり、さらに白崎海洋公園から販売場所を提供してくれるという連絡もあった。多くの善意の集まりのおかげでわずか3日間、13日の日曜日までにコツコツと1カ月以上かけて製作してきた15点以上の置物が完売。売上金全額が日高川町へ贈られた。
 東日本大震災から8カ月余り。台風12号の水害からは2カ月以上が経過し、被災地以外では徐々に何事もなかったかのような日常を取り戻し、被害の大きさも記憶の中では小さくなってきている。しかし、まだまだ困っている人たちが大勢いるのは間違いない。発生当初にがれき処理にいったり見舞金を贈ったりした人はたくさんいたと思うが、もう一度、「自分にできることをやろう」という気持ちを思い起こさせてくれる取り組みだったように思う。
 ボランティア、被災者支援のかたちは人それぞれでいい。流木で置物製作のこの男性の言葉。「何か人の役に立つことをすれば自分に返ってくるんですよ」。復興が実現するまで心に留めておきたい。
       (賀)