印南町内の33地区が、災害時に被災した地域を他の地域が協力して支える相互応援協定を結んだ。大規模災害が起きた際、被災地区を助けるため、他の地区が避難所や食料、水の提供などを行う。他のまちでも町内会単位で自主防災組織の設立が進んでおり、それぞれの取り組みがさらに強化され、広がることを願う。
 仲間同士、隣同士、困ったときは助け合うのが日本人であり、世界共通の人の心。東日本大震災に続き、今回の紀伊半島豪雨では私たちの住むこの日高地方の被災地に、隣の地域やまちから、休日には県外からも多くの人が支援に訪れている。建設業界は災害直後から復旧作業にかかり、これら協定に基づく支援活動も大きな力を発揮している。
 美浜町に住む藤原さんも東北のニュースを見て心を痛めた日本人の1人。「直接行くことはできないけど、何か力になりたい」と、岩手の男性に個人的支援を続けていたところ、台風12号の豪雨が紀伊半島を襲った。今度は逆に、まだ仮設住宅で暮らしている男性から、「和歌山の皆さんのために」と現金が送られてきた。詳しくはきょうの記事の通りだが、目に見えぬ「思いやり」の気持ちは、支援を受けた被災者の心を通して、より強く温かい「力」となって他の被災地に向けられた。
 被災地の惨状に多くの人が身につまされ、物を買ってまで送りたい、仕事を休んでまで駆けつけたいという衝動にかられた。そこには多少の押しつけ感もつきまとうが、互いに相手の気持ちを考え、好意はとりあえず感謝して受け取る日本人にとって、それもひっくるめてのボランティア。「頑張って」「ありがとう」の言葉が絆となり、復興への力を生む。         (静)