夏の甲子園をテレビ観戦していると、スピードガンの表示に目がいく。甲子園に出場してくるエースたちは球速140㌔超が当たり前の時代。今大会でも、ほとんどのエースたちが140㌔以上の速球を投げ込み、150㌔を超えるプロ顔負けの豪腕投手も数人いて脚光を浴びた。
 そんな中、目についたのが能代商(秋田)のエース左腕。ストレートでも130㌔に届くかどうかの一見どこにでもいる平凡な投手に見えるが、1回戦では鹿児島代表を3点に抑え、県勢14年ぶり初戦突破の立役者となった。2回戦は香川県代表と対戦。相手左腕はプロも注目、長身で140㌔を超える速球を武器にする豪腕だったが、投げ合いに見事勝った。制球力と配球を駆使し、相手打線をシャットアウト。三振を次々と奪うのもいいが、相手の豪腕とは対照的に打たせて凡打の山を築くマウンドは特に印象に残った。
 本紙に掲載されていた女子サッカー選手の記事。中学生になると男子に体力では劣るためフェイントなどの技術に磨きをかけ、男子に引けを取らないプレーを見せると紹介されていた。この女子選手、国体近畿予選の県代表にも選ばれ、指導者は「男子に負けないようにどうすればいいか、自分で考えて行動できる頭のいい選手」とたたえていた。人間には限界があり、いくら練習を積んでも150㌔を出せない投手の方が圧倒的に多い。女子が男子に体力で勝つのもかなり難しい。だが、150㌔の豪腕にも男子にも勝てる方法はある。前出の2人が証明している。
 人より劣る部分を気に留めるよりも、勝てる部分を探して伸ばす。成功への一つの道として勉強になる。  (賀)