ボロをまとって家でこき使われていた女の子が、魔法できれいなドレスとガラスの靴を身に着けて舞踏会にいき、王子様に見初められてハッピーエンドとなる。いわずと知れたグリム童話のシンデレラだが、御坊ゆかりの宮子姫もよく似た物語。髪の毛の生えない女の子が、母の願いで髪が伸び、その長い黒髪が見初められて天皇と結婚する。まさに宮子姫は「日本のシンデレラ」と呼べるが、あまりその言い方は全国的に知られているとはいいがたい。
 そんな折、本社含む日高地方の企業、行政、地元住民がスクラムを組んで30日に「宮子姫顕彰会」を発足させる。これまで市や観光協会主催の宮子姫関連イベントはあったが、PR目的の組織は初めてで、今後の展開が注目される。
 顕彰会では宮子姫のPRに向けて誕生祭イベントや資料館の建設を検討しているが、映画やアニメなどを製作するのはどうだろうか。映画なら有名な女優や俳優を起用して地元でロケをすればおもしろい。予算を考えると現実性は低いが、話題性は十分にある。ロケ地ツアーもやって将来的な観光にも役立つと思う。
 それよりもNHKの大河ドラマなんかで宮子姫物語をしてくれれば御坊のPR、観光振興に大いに役立つが、そんなうまい話はないか...。アニメについては、あまり定かではないが、テレビアニメの「日本昔ばなし」で宮子姫物語が題材になったらしい。もしその映像が残っているのなら、借りるか、買い上げるかしてPR用に使えると思う。また、数年前には、劇団RAKUYUが宮子姫物語のミュージカルをやったこともあったが、なかなか好評。ぜひ今後も定期的に公演してもらいたい。いずれにしても宮子姫が早く日本のシンデレラになればと期待する。       (吉)