梅雨が明けて夏本番。猛暑の季節がやって来た。ことしも厳しい暑さとなりそうだ。いくら夏が好きな筆者でも、こう暑いと熱中症などの対策を考える必要がありそうに思う▼「温暖化で昔より夏が暑くなっている」ということがよく聞かれる。しかし大昔からもちろん夏は暑く、夏ばて対策があったようだ。それで真っ先に思いつくのが土用のウナギ。7月の丑の日にウナギを食べるという習慣だが、ネットなどで調べてみると、「奈良時代からウナギは精のつく食べ物として有名だった」などとあり、その習慣が一般化したきっかけは江戸時代後期の万能学者、平賀源内が「土用の日にウナギを売れば繁盛する」と知り合いのウナギ屋に助言したことがきっかけという説もある▼夏ばて防止の食材はウナギのほかにも枝豆、納豆、玄米、イワシ、ユズなどがある。特に当地方では梅も有名だ。そう考えると土用の丑の日にウナギを食べるのではなく、夏ばて防止であれば梅であってもいいということになる。特に梅は夏の暑さと密接な関係があり、昨年の猛暑で売り行きもアップした。それだけ夏ばて対策の食べ物として広く認知されているということだろう▼ことしは昨年ほどの猛暑ではないが、やはり暑い夏になるとという予報だ。特に節電の必要がいわれている状況で、家庭でもエアコンをガンガンに効かして生活するのは控えなければならない。そうなれば体感の暑さは昨年以上になる可能性もあり、梅の消費にとっては追い風かもしれない▼昔から「ウナギと梅干しは食い合わせが悪い」といわれる。土用の丑の日にウナギを食べるのか、それとも梅を食べるのか、国民的レベルで争う時代が来ることを期待したい。     (雄)