テレビでよくグルメ番組を見る。タレントが一口食べては、「おいしい。うまい」と絶賛するのがお決まりだ。「おいしいだけじゃわからない」と思うが、いろいろ例えなどを駆使して味を伝えようとするグルメリポーターのコメントを聞いても、結局のところどんな味なのか理解しがたいもの。以前、テレビで絶賛されてたB級グルメを東京に行ったついでに食べてみたが、わりと普通でがっかりした。おいしいことはおいしかったが、どの程度のおいしさなのかは表現が難しい。
 そんな中、和高専は梅や花など県内の特産品から感じる味や香り、かみ応えなどの感覚を数値で表すことで、付加価値を高めようとする「県特産品への感性価値付与検討研究会」(代表=藤本晶和高専教授)を立ち上げ、今月7日に同校で第1回会議を開いた。従来人の感性でしか表現できなかった味やにおい、色合い、かみ応えなどを数値化することで、他の産物より優れていることを証明することが目的。確かに同じ食べ物でも、どこどこ産が一番おいしいと思うものはたくさんあるが、明確に違いを伝えるとなれば難しい。数値化できれば指標となり、他商品との差別化が可能になる。
 どういった方法で数値に表すかが今後の検討課題だが、和高専にある脳波を測定する機器も方法の一つとして進めていく。まだまだ始まったばかりだが、県内には他県より優れた特産品はたくさんあり、数値で示せれば従来の口コミに頼った方法でなく、一気に世に知らしめることができる。斬新さがあって注目度も高いと思うので、ぜひ研究がうまくいき、県特産品のPRにつながることを期待したい。 (城)