日高川町が参戦した世界一長い焼き鳥の挑戦。ライバルとの挑戦状のやりとりや串となる竹探しにはじまり、当日は何十人がかりかで1本の焼き鳥を焼き上げるという行事で、ユニークな戦いを通して全国に話題を振りまいてきた。以前にも小欄で述べたが、筆者が楽しみにしている取材の一つである。世界一に挑戦とはいえ、記録は二の次、特産品のPRや産業振興、イベントを通じての交流などが最大の目的。
 挑戦はそれまで独自で行っていた福島県川俣町に、日高川町が平成18年に挑戦状を出し初代王座となり、すぐに川俣町が新記録を達成するなど両町が火付け役。以来、戦いは全国へ波及、日高川、川俣の両町は交流を深めている。川俣町は東日本大震災で被災、現在一部地域が福島第一原発の事故で計画的避難区域となるなど大変な状況。川俣町の焼き鳥の材料である川俣シャモも風評被害を受けているという。そんな中、日高川町は来月末に開かれる川俣シャモまつりに応援参加することを決めた。
 日高川町は焼き鳥に挑戦した同じ東北地方の福島県会津若松市、岩手県二戸市、北海道美唄市、山口県長門市、香川県高松市といった戦友に参加を呼びかけており、応援の方法は未定だが、川俣シャモや日高川町のホロホロ鳥など各地の焼き鳥で復興の輪を作るなどの案が出ている。日高川町では焼き鳥を販売し、売上金の一部を支援に充てる計画だ。日高川町をはじめとした戦友がスクラム。イベントを盛り上げ、豊かなコクと風味、高タンパク質、低脂肪、低カロリーの肉質が人気、高級食材として知られる川俣シャモをPR。強いきずなで元気を与え、風評被害を吹き飛ばしてきてほしい。 (昌)