去る5日夜、日高川町高津尾で震度5強を記録する地震が起こった。自宅のある印南町は震度3だったこともあり、普段の地震より少し強い程度という認識だったが、小学生と保育園の娘や息子にとってはかなりの揺れだったようで、血相を変えてテーブルの下に潜り込んできた。学校や保育園で普段から訓練していることをしっかり実践していることに感心した。日ごろの訓練が、いざというとき役に立つのだと、あらためて感じさせられた子どもたちの行動であった。
 今回の地震の翌日、日高川町に入って取材したが住民の対応は早かった。石垣が崩れるなど被害の大きかった中津地区では、発生直後から区民が一人暮らしのお年寄り宅を訪ね、一人では心細いだろうからと自宅に連れ帰ったり、地元公民館を開放して受け入れ準備を整えたという。「これまで経験したことのない揺れだった」と住民が声をそろえるほどの強い地震だったことが、素早い行動に移させた要因になったのだろうが、日ごろからいざというときどのような行動を取るべきかを意識しているから取れた行動だろう。見習うべきことは多い。
 東日本大震災から早くも4カ月が過ぎた。この間、日高地方を含めた県内では防災対策の見直しが盛んに叫ばれ、目に見えて何かが変わったようには感じられないものの、地域によっては着実に前に進んでいる。ただ、先日の地震であらためて感じたのは誰かが助けてくれるのではなく、あくまで自分たちの力で生き残らなければなければならないこと。いざというときに体が勝手に動くように、まずは子どもたちを連れて自分たちで決めた避難場所まで歩くことから始めようと思う。    (片)