ここ数日、いい天気が多く、そして何より暑い。節電を心がけてはいるが、冷房なしでは過ごせない。そんななか、実家では梅の出荷が続いている。春以降の低温のせいか例年ならもう終わっているだろう時期だが、まだまだ両親が朝早くから夜遅くまで作業している。
 先日、選別作業の手伝いをした。胸を張って言えるほどではないが、学生時代からできるだけ手伝うようにはしている。ことしは最悪。果実の表面がすすのように黒くなる「すす斑病」が発生している。落胆する両親に聞くと、近年になく発生は多く、「さっぱりやわ」。新聞報道によると、5月末から6月初めに発生が確認されて以降目立ってきており、地域を問わず紀南地方全域で発生しているようだ。すす斑病は5月中旬以降の多雨条件で発生しやすいといわれており、ことしは春以降の低温による生育や熟期の遅れに伴い収穫も遅れ、うちを含めて例年であれば収穫が済んでいるところでも被害に遭っているそう。それでも農家の人は収穫し、出荷。そして来年へ向けて木の世話をして、というように一年、また一年と続けていくと考ると、仕事といえど頭が下がる思いだ。
 少し話は飛んでしまうが、農作物への鳥獣害について「対策に被害額の何倍、何十倍もの税金をかけるよりも被害額だけ補てんすれば安く済む」という声が街や農家以外の人から聞かれるという。「ごもっとも」と思わないでもなく、自信を持っての反論はできないが、年間を通して作物を育てる農家の気持ちが無視されている。農業に限らず、仕事は金儲けだけが目的ではない。学校で子どもたちが食育や体験を通して学んでいるのと同様に食への感謝、成長に対する喜びの心が分かるようになろう。 (笑)