だんじり祭で有名な岸和田の人なら「祭りを中心に1年を過ごす」という人も多い。普通の人ならやはり正月から大晦日までがサイクルになるだろうが、高校野球の取材を担当していると仕事上では7、8月が年度末、一年の切り替わりの時期。間もなく始まる夏の和歌山大会が一つの区切りとなる。
 高校野球を担当して15年。地元勢は実に9回も準優勝があるが、甲子園には届いていない。特に入社2年目、分校として初めて甲子園(センバツ)の大舞台に立った若アユナインは終盤までリードする展開も及ばず。平成16年の日高はあとアウト一つまで市和歌山を追い詰めたものの逆転を許した。夏の大会の取材では本当に残念な結果が続いている。
 昨秋の日高地方勢は近畿大会にも出場できなかった。一冬越えての成長を期待していたところ春季県予選では南部がベスト4入りし、夏のシード権を獲得。取材を担当している日高は課題の打力が向上しているようで、今月練習試合を観戦に行った際にも各選手が鋭い打球を飛ばし、昨年ベスト8を上回る活躍をしてくれそうな雰囲気だった。
 第93回全国高校野球選手権和歌山大会は、いよいよ7月13日に県営紀三井寺球場で開幕。3年生にとっては最後の公式戦で、高校野球担当としても一年を締めくくる仕事になる。球児たちは入学して2年3カ月余り、必死になって練習してきた成果を発揮する舞台。この大会で敗退すれば野球から引退するという球児たちも多く、最後にどんなプレーを見せてくれるのか大いに楽しみ。前出の2校をはじめ地元勢は調整も順調に進んでいるようなので、ことしこそはと期待するとともに白熱のプレーをしっかりと紹介し、多くの人に感動を伝えていきたいと思っている。 (賀)