東日本大震災の被災地では、5月の大型連休以降、ボランティアが減少しているという。休みに合わせて少しでも被災者の役に立ちたいと多くの人が訪れ、ボランティア連休ともいわれたが、以降は不足が続いている。学生や社会人は勉強や仕事があるので仕方ないのだが、人手が必要な被災地のことを考えるともどかしい。まだ一度も現地に行っていない筆者が偉そうなことはいえないが、機会があればぜひ参加したいという思いは持ち続けている。
 最近では、ボランティア休暇を認める企業や大学が増え始めている。ボランティア活動に参加しやすい環境を整えるのは大切なことだ。そもそもボランティアとは、無償で自発的な活動が基本で誰かに強制されるものではないが、推奨する雰囲気づくりは重要だろう。参加したいけど、なかなか行動に移せない、何から始めてどうすればいいか分からない、今回の震災でも「現地に行きたいが...」と思っている人は多い。そんな住民の思いに応えて県では、被災地までの足としてボランティアバスを運行している。各市町単位もしくは各振興局エリアで運行すれば、もっと参加しやすくなるのではないだろうか。予算の都合もあるが、検討してみる価値はあるように思う。
 何度もいうが、当地方もいつか南海地震の被災地になる。ボランティアは復興に欠かせない存在になるだろう。どこが受け皿となって、どのような人たちをどの地域へ振り分けるのか。いわゆるボランティアコーディネーターの育成や県外からの登録もいまから進めておかなければならない課題の一つ。各自治体は、住民の関心が高いいまのうちに動き始めてほしい。        (片)