甲子園へプロ野球を観戦(巨人戦)に行く時、先発投手が上原浩治投手(現米大リーグ、ボルチモア・オリオールズ)に当たってほしいと願っていた。投球のテンポがよく制球力もあり、打ち込まれて乱打戦になることも滅多にないから、試合が長引かない。基本的に高校野球ははつらつとした全力プレー、スピーディーな展開が楽しみ。一方、プロ野球は一投一打に集中して高いレベルの個々のプレーを観戦したいという思いはあるが、近年、プロ野球の試合時間が長すぎるのがネックで球場へ足を運ぶ機会もめっきり減った。
 大体、いちいち打席に立つのにテーマソングのようなものは必要なく、攻守交替ももっとてきぱきとやってほしい。それに不要なショーアップが多すぎる。バレーボールのテレビ中継で、売り出し中のアイドルが出てきてはしゃいでいるのと似たような感じで、本来の競技そのものの魅力をアップさせるわけでもない演出は止めてほしい。試合時間が短くなれば売店のビールや食べ物の売り上げに響くなどの大人の思惑、不都合があるのかとも疑ってしまう。
 東日本大震災の影響で延期となったプロ野球も開幕。19日の阪神―巨人戦は延長10回、3時間43分の長い試合になったが、中盤は両投手が胸のすく快投、後半は1点ずつ奪い合う緊張感のある展開となり、「やっぱり野球はおもしろい」と感じさせてくれた。今季は電力消費量削減のため、延長に突入後、3時間半が経過すると新しいイニングに入らないとのルールがあるそうだが、この日のような試合であれば余計な演出がなくても野球のおもしろさは何ら損なわれない。平和の象徴といわれるスポーツで多くの人を楽しませ、沈んだ雰囲気を盛り上げてもらいたい。   (賀)