御坊商工会議所地域活性化委員会は発足して3年目。旧御坊町の寺内町観光推進で商店街の活性化を目指して取り組んでいる。寺内町ではハーブのプランターを植え、日高別院などに説明看板も設置した。ことしはベンチを設置する予定で、まだトイレや休憩所、昼食場所、目玉となる名所など足りないことはたくさんあるが、少しずつ観光地らしくなっている。事実、ここ数年で旅行会社のツアーメニューに加えられ、団体の観光客が訪れることも増えてきた。個人や少数のグループで観光ガイドを手に寺内町を散策する姿もちょくちょく見かける。
 筆者はもともと古い町並みが何か懐かしい感じがして好きで、以前に滋賀県長浜市の黒壁スクエに旅行にいった。あそこは黒塗りの古い和風の建物がずらりと軒を連ね、まるで大正や昭和初期の時代にタイムスリップしたような感じになる。昼食は民家を改造した食事処で、名物の「サバソーメン」をいただき、その土地の歴史と文化を満喫できた。
 一方、御坊の寺内町は、近年の建物も混ざる中で、名所となる古い建物が点在。長浜市のように一つの通りを歩けば古い建物が連なっているというわけではなく、インパクトは弱い。しかし、筆者も実際に寺内町を歩いたが、語り部に案内されながら各所の建物をみると、歴史ある和風建築や洋館建築があり、何か懐かしいようないい気分になれる。逆に長浜市と違い、ある程度の距離を歩くので観光プラス健康増進を売りにもできる。
 今度、活性化委員会では市民に寺内町の魅力を再認識してもらう取り組みを検討している。まず地元の人たち自身が魅力を知ることが大切で、一丸となって寺内町観光推進にあたればきっといい結果がみえるはず。  (吉)