市議、日高町議、美浜町首長・町議に続き、今度は由良町議の選挙がスタートした。 4月には県議選があり、御坊市でも24年ぶりに選挙が行われる。田舎の選挙、ともすれば、個々の政策や抱負よりも血縁、仕事上の関係、県議や国会議員のもたれあいにも映る互助が選択の基準となりがちだが、情熱を持った候補者の訴えに耳を傾けたい。
 完全地上デジタル化が迫るテレビ。 白黒テレビが「一家に1台」が夢だった昭和40年代前半から40年以上、いまは1人に1台といわれ、さらにネット社会で情報はいつでもどこでも、最新のものを手に入れることができ、発信することもできる。この情報ネットワークの進化は人の暮らし、世界の経済を大きく変えつつある。
 一方、政治の世界は明治維新後、わずか十数年で近代国家の基盤をつくり上げ、税金を吸い上げて分配する中央集権体制がいまなお続いている。江戸時代の幕藩体制下、東京は政治、大坂は経済、京都は文化というように、各藩が独自の産業や教育をはぐくみ、独自の発展を遂げてきた。しかし、明治以降は稼ぎがなくても、交付税で財源が回ってくるようになり、これが地方の自立心を弱らせ、さらにマスメディアの一極集中が国民の創造力を奪い、多様な人材の輩出を阻んでいる。
 「政治家は有権者の鏡」という言葉がある。リーダー不在といわれる国政も地方政治も同じで、立派なリーダーが生まれないのは、私たち国民、住民が立派でないことの表れ。直接、自分の生活にかかわりのある首長・議員の選挙こそ、有権者が選択する力をつけ、しがらみ抜きに、自らの判断と意思で投票しなければならない。それが世界の中の強い日本につながる。   (静)